生糸について
1.絹糸について
絹糸には家蚕糸(かさんし)と野蚕糸(やさんし)が
あります。家蚕糸は一般に農家で桑の葉を餌に飼育
されている家蚕繭から製糸したものです。
野蚕糸は野山に放し飼いされて、柏やクヌギの葉を
食べて生育する野蚕繭から製糸したものです。
2.養蚕の起源
養蚕は中国ではじめられたと言われています。日本
での養蚕は三世紀末ころ中国から渡ってきた人たち
によって広められました。
3.養蚕の時期
蚕は餌の桑さえあれば年中でも飼育することができ
ますが、日本では主に春(4〜5月ころ)と晩秋(9月から
10月ころ)が主な収穫期です
繭
4.生糸
普通私たちが絹と言っているのは家蚕糸のことであり、
蚕の口から分泌する透明な液が空気に触れて糸となり
蚕はこの糸で繭を作ります。この繭から糸をとったもの
が生糸です。
5.生糸の繊度
生糸の太さは「デニール」という単位で表されます。
1デニールは生糸450mで0.05gある太さを言います
繭から取れる1本の生糸は2.8デニール位です。
絹織物に使うには1本の生糸では細すぎて織物に
使えません、そこで10本ほど束ねて1本の糸にして
織物に使います。
6.製糸
繭はセリシンというニカワ状のタンパク質に包まれて
います。このままでは糸にほぐれないので、操糸する
前に繭を煮てセリシンを柔らかくして糸がほぐれやす
いようにします。織物に使いやすいように、繭9から
10粒ほどをいっしょにして1本のいとにします。
生糸
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